不動産に関する難題を解決
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賃貸経営事例2 「リフォーム・リノベーションの有用性」

  • 賃貸経営
Writer:大澤 健司

相談内容

ご相談者様は、地方でアパートを3棟お持ちのオーナー様。全て3DKのファミリー用木造アパートで、4室1棟が3棟並んで建っています。それぞれ築20年を超え、空室が目立つようになり、昨年度はとうとう収支が赤字になってしまったとのこと。まだローンも残っていて今後も赤字が続くなら手放さざるをえないが、ご自身で建ててここまでやってきたので愛着があり、できれば手放したくないとのこと。リフォームをしたり、募集条件を変えたりすれば状況は好転するのか。それとも建て直してしまった方が良いのか。やはり売却しなければならないか・・・。という相談でした。

アパート外観

ご提案

ご相談を受けた私たちがまず取り組んだのは周辺の賃貸需要の調査です。駅徒歩圏外ではあるものの、駐車場があり、かつファミリータイプ。周辺に単身用のアパートは多かったものの、ファミリータイプのアパートは少なく需要はある地域と判断しました。特に周辺に嫌悪施設などもなく、物件の立地に問題はありません。次に調べるのは賃料相場。こちらについても現在の募集条件は適正範囲内であり、問題はないと判断しました。
立地に問題がなく、かつ賃貸条件も問題がない。それでも空室が埋まらない・・・こういった時に目を向けるべきは物件そのものです。見た目、間取り、設備。借りてくれるお客様の目線に立ち、課題がないか調べていきます。課題が見つかれば、どのように改善していくか。そしてその改善策はどれほどの効果が見込めて、いくらの費用がかかるのか。オーナー様の資産状況を考慮しながら計画を立てていきます。
そうして私たちが提案させて頂いたのは、総額1,000万円ほどのリフォームでした。外観の古さを外壁塗装で改善し、内装リノベーションは設備の入れ替えに加え、流行りの広い居間の間取りへと。費用的にも、新たなローンを組まずオーナー様の自己資金で賄える範囲で、かつ投入した費用の回収も3~5年ほどで見込めるということを説明させて頂きました。
手放さずに賃貸経営状況の改善ができるなら、ということでオーナー様もご同意されました。

内装間取り図

収支改善へ

リフォームを終えて3ヶ月後。無事空室がすべて埋まったとオーナー様から連絡がありました。赤字だった収支も大幅に改善し、月に30万円以上の黒字へ。今後の入退去の状況にもよりますが、うまくいけば3年もかからず投資費用を回収できる見込みです。

収益物件のリフォームを行う場合、漠然と綺麗にするという考えでは失敗することがあります。重要なのは、そのリフォームを行うことでどれくらいの空室改善が見込めるか。そしてその費用対効果です。どれだけ綺麗にしても、地域的な需要の減少により、空室率が改善されないのであればリフォームに投資した費用が丸々損になってしまいます。また、いくら空室率が改善されたとしても、投資した費用の回収に何十年もかかるようでは意味がありません。
リフォームを行う際に陥りがちなのが、リフォーム内容を考えることが先行してしまい、かえって損になってしまうこと。確かにデザインや設備を考えることは、オーナーにとってやりがいがあり、楽しいことです。しかしまず考えるべきは、空室率の改善目標を立て、目標を達成すると現在よりも収入がいくら増えるか。そして費用を回収する年数を定めれば、自ずと投資できる費用の上限が決まります。その範囲内でリフォーム内容を考える、こういった思考手順が重要だと思います。

月間家賃収入表

大澤 健司 株式会社K-コンサルティング 代表取締役

大澤 健司株式会社K-コンサルティング 代表取締役

不動産業界で、総合不動産コンサルティングをはじめとしたさまざまな行に従事する。

2016年、不動産相続と賃貸経営に特化したコンサルタントとして独立し、株式会社K-コンサルティングを設立。

不動産に関するセミナーや勉強会を精力的に行っている。

  • 公認 不動産コンサルティングマスター
  • 相続対策専門士
  • 不動産有効活用専門士
  • ファイナンシャルプランニング技能士 2級
  • NPO法人 相続アドバイザー協議会 上級アドバイザー
  • 賃貸不動産経営管理士
  • 宅地建物取引士
  • 空き家相談士
  • (借地低地アドバイザー・定借プランナー・ビル経営管理業務主任者・賃金行取扱業務主任者 など)

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